時の葉
〜命の循環と先人とのつながり〜
コロンビア北部のタイロナ公園という緑豊かな山々を歩いた時、ふと、あたり一面、土が全く見えないほど落ち葉で埋め尽くされていることに気付きました。
落ちて間もない葉の隙間からは、土に還っていく無数の葉が見えます。私は、大地に大きく足を広げてそびえ立つ大木を見上げて、この落ちた葉たちが木々の養分となって新しい葉が生まれることを想像し、静かな山の中でのダイナミックなエネルギーの循環を感じました。
それと同時に、原住民の人たちが穏やかに先人たちのことを語る様子が頭の中で蘇ります。
先人の残したものは、"生“ある私たちの糧となり、この世界を彩ります。この木にも私たちにも流れる水は、どんな形にもなれる存在で、積み重なっていく生きる力は、風の中に、土の中に、水の中に生き続けていると感じました。
2023年の旅より
作品の造形について
コロンビアの山で見かける木の中で一番印象的なのは、木が大きく真っ直ぐ空へ向かっていて、木の麓は塀のような形をした足が四方八方に伸び、力強く大地に立つ姿です。
地面からそびえる幹の中心は水を上へ上へと送るイメージのため、鉄のパイプを用い、鉄の錆色からシルバーの色への変化が見られます。
広がった足や上方の枝は、アルミニウムで流線の模様をつけ、水のめぐりを表現しました。
地面には次の命の源となる葉の数々、そして枝から吊るされた生命の宿った実は時折揺れながらほのかに光を反射し、目を楽しませます。
葉は銅や真鍮の薄板を切ったもので、朽ちていく様子もバーナーで熱して穴を開けて表現しました。葉の形は私が実際にコロンビア各地で見つけた葉を元にしています。
実は、アルミニウムを一つ一つ金槌で叩いて立体的にし、時間をかけて命を吹き込むように制作しました。
展 示 会 の 様 子